愛知県弁護士会所属 弁護士 服部一将 かにえ法律事務所

お電話でのお問い合わせはこちら。0567-55-8791

メールフォームでのお問い合わせ

トップページ » 弁護士ブログ
弁護士ブログ

2013年6月

6月 25 2013

勘違い騎士道事件

 刑法を学習していて一番印象に残る判例は,この「勘違い騎士道事件」ではないかなあと思います。

 

 被告人が英国人であったため,「英国騎士道事件」と言ったりもします。

 

 事案の概要は以下のとおり。

 

 空手三段の腕前を有する在日英国人Xは,夜間帰宅途中の路上で,酩酊したA(女性)とこれをなだめてい たBとが揉み合ううち,Aが倉庫の鉄製シャッターにぶつかって尻もちをついたの を目撃した。

 

 Xは,BがAに暴行を加えているものと誤解し,Aを助けるべく両者の間 に割って入った上,Aを助け起こそうとし,次いでBの方を振り向き両手を差し 出してBの方に近づいた。

 

 すると,Bがこれを見て防御するため手を握って胸の 前辺りにあげてボクシングのファイティングポーズのような姿勢をとったため,XはBが自分に 殴りかかってくるものと誤信し,自分とAの身体を防衛しようと考え,とっさ にBの顔面付近に当てるべく空手技である回し蹴りをして,左足をBの右顔面付 近に当て,Bを路上に転倒きせて頭蓋骨骨折等の傷害を負わせ,8日後に右傷害 による脳硬膜外出血及び脳挫滅により死亡させた。

 

 さて,何とも不幸な事案ですが,1審の千葉地裁では誤想防衛(正当防衛状況ではないのに正当防衛状況だと勘違いして正当防衛行為をした)であるとして無罪となりました。

 

 2審の東京高裁では,誤想過剰防衛(正当防衛状況ではないのに正当防衛状況だと勘違いし,しかも防衛行為はやりすぎ)であるとして執行猶予付きの有罪判決になりました。

 

 最高裁も同様の判断でした。

 

 「誤想防衛」や「誤想過剰防衛」を勉強するときに必ず出てくる判例です。

 

 Xがキリスト教に基づく騎士道精神を発揮しておかしなことになってしまったということで,「勘違い騎士道事件」という名前が付いています。


0コメント

6月 22 2013

宇奈月温泉事件

 宇奈月温泉事件というのは民法を学習すると初めのころに出てくる有名な事件です。

 

 「権利の濫用」という言葉が初めて大審院(現在の最高裁に相当する戦前の裁判所)の判決文中で使用された判決として習います。

 

 事件の概要は以下のとおり。

 

 富山県黒部市(当時は下新川郡内山村)の宇奈月温泉で温泉事業を経営していたY社は,黒薙川上流から宇奈月まで約7.5キロメートルにわたる引湯木管を敷設して温泉を引いた。

 

 このとき甲地(約370平方メートル)の一部(わずか6平方メートル余り)について,土地所有権者と土地利用権について契約がない状態であった。

 

 このことを知ったXは,甲地と隣接の乙地(急傾斜で利用しにくい土地)を買い取り,Y社に対して,引湯管の無断通過は所有権侵害であると言ってその撤去を要求し,それができないなら甲地・乙地併せて約9900平方メートルを地価の数十倍の価格で買えと強要した。

 

 Y社がこれを承認しなかったので,Bは土地所有権に基づき木管の撤去等を請求して訴訟を起こした(一部事実を簡略化)。

 

  

 1審と2審は請求を棄却。

 

 大審院は,昭和10年10月5日,「権利ノ濫用」という文言を判決文中で初めて用い,Xの請求(所有権の行使)は権利の濫用にあたるため認められないとして請求を棄却しました。

 

 利用価値の無い甲地はXにとってなんら利益をもたらさないのに対し,請求を認めて引湯管を撤去すれば,宇奈月温泉と住民に致命的な損害を与えることになります。

 

 このような結果をもたらす所有権の行使に基づく請求は所有権の目的に反するものであり,権利の濫用であって権利行使が認められないとしました。

 

 

 まあ,昔から強欲な人はいるということですね。

 

 この判決以後「権利の濫用」という概念が徐々に定着していき,昭和22年の改正で民法1条3項に「権利ノ濫用ハ之ヲ許サズ」という風に明文化されました。

 

 ちなみに,名古屋市政資料館に宇奈月温泉事件の判決書が展示されています。

 

 私は「こんなところにあるんだ」と見たときに感動したのですが,まわりの一般の観光客の方は素通りしておりました(^^)

 

 


0コメント

6月 21 2013

全国裁判所めぐり~② 鈴鹿簡易裁判所~

 昨日,鈴鹿簡易裁判所に行ってきたのですが,写真を撮ってくるのを忘れてしまいました・・・・・・・

 

 私のやっていた事件は昨日和解で終結してしまったので,もう当分行くことないんですよね。。。

 

 というわけで仕方なく画像なしでお送りしますが,鈴鹿簡易裁判所はコンパクトな簡易裁判所です。建物は新しくて気持ちのいい裁判所です。

 

 事件数も少なそうでのんびりしている感じです。

 

 昨日は雨がけっこう降っていて大変でしたが,私は近鉄鈴鹿市駅から歩いて行きました。15分くらい。

 

 近鉄鈴鹿線は昼間の時間帯は1時間に2本しか走っていないので時刻をあらかじめ調べておいた方が無難です。


0コメント

6月 19 2013

放置自動車の撤去

 「貸していた駐車場内に自動車を駐車されたまま賃料が支払われなくなり,借りていた人とも連絡が取れない」ということで放置自動車撤去のご依頼を受けていた件で,本日,無事に自動車の撤去が完了しました。

 

 

 

 賃料を支払わない,あるいは見ず知らずの車が停まっているという場合でも正規の手順を踏まずに一方的に撤去してしまうと,後から思わぬクレームを受けてしまうことがあります。

 

 弁護士に相談するなどしてきちんとした手順を踏んで問題解決に当たることをお勧めします。

 

 


0コメント

6月 18 2013

後戻りのための黄金の橋

 刑法で「未遂」の1つとして「中止未遂」というものがあります。

 

 犯罪の実行に着手したんだけれども「自己の意思により犯罪を中止した」ために犯罪が既遂にならなかった場合をいい,通常の未遂とは区別されています。

 

 刑法43条によると,「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は,その刑を減軽することができる。ただし,自己の意思により犯罪を中止したときは,その刑を減軽し,又は免除する」となっており,中止未遂の場合には必ず刑が減軽または免除されるという特典がもらえます。

 

 こういう仕組みになっていることについて,19世紀生まれのドイツの刑法学者リストは「法は犯罪者のために後戻りのための黄金の橋を架けた」という言い方をしました。

 

 いったん犯罪の実行を始めても途中で後戻りすれば助けてやるよ,というわけですね。

 

 私は学生時代にこの表現に出会って「かっこいい言い方だな」と思ったので,今日紹介してみました(^^)

 

 ちなみに「刑の免除」というのは「有罪なんだけど刑を科するのを免除してやるよ」ということであって,無罪とは違います。

 

  


0コメント

6月 17 2013

なばなの里 

 昨日は桑名市長島町にある「なばなの里」に行ってきました。

 

 あじさいがたくさん植わってました。

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 花しょうぶもたくさん咲いていました。

 

 

 写真を撮ってくるのを忘れたのですが,「アイランド富士」という富士山型の乗り物が地上45メートルまで上昇して360度一回転してくれるというものにも乗ってきました。

 

 

 なばなの里と周辺を空から見渡すことができてお勧めです。

 

 

 暑い日が続きますが,みなさま体調にはお気を付けて。

 

 

 


0コメント

6月 15 2013

五七五の条文

 法律の条文の中には,五七五の俳句調になっているものもあって,次の3つが有名です。

 

「学問の自由は,これを保障する」(憲法23条)

 

「相続は,死亡によって開始する」(民法882条)

 

「こじきをし,又はこじきをさせた者」(軽犯罪法1条22号)

 

 最後の軽犯罪法のものは,これに該当すると「拘留又は科料に処する」(軽犯罪法1条柱書)となっていますので犯罪になってしまいます。


0コメント

6月 14 2013

真夏日

 名古屋の昨日の最高気温は35度以上あり,今日も34度くらいあるみたいです。とんでもなく暑いですね。

 

 当事務所は日光が当たらないため外に比べるとだいぶ涼しいのですが,さすがに昨日は冷房を少し付けました。今年初めてでした。

 

 今日も断続的に冷房を付けています。


0コメント

6月 13 2013

全国裁判所めぐり~① 名古屋高等裁判所・名古屋地方裁判所~

 さて,今回から始まりました,全国裁判所めぐりのコーナーです。

 

 私が行った全国の裁判所を適宜紹介していきます。

 

 需要があるのかどうかも含めて未知数ですが,私が飽きなければたぶんシリーズ化されます。

 

 まず,第1回は,名古屋高等裁判所・名古屋地方裁判所です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上の写真が名古屋高等裁判所と名古屋地方裁判所が入っている建物ですね。本日私が撮影してきました。

 

 テレビのニュースなんかでもよく映りますので,「なんか見たことあるなあ」と思われた方もいるんじゃないでしょうか。

 

 

 メディアの注目を集める事件の裁判が行われる日には,入り口のあたりにたくさん取材陣がたむろしていることもあります。

 

 1階から8階までが名古屋地方裁判所の建物で,9階から12階には名古屋高等裁判所が入っています。

 

 上に階に行けば行くほど弁論準備手続き(民事事件の手続き)や公判前整理手続き(刑事事件の手続き)が行われる部屋からの見晴らしが良く,名古屋城がきれいに見えます。なかなか一般の人が見る機会はないかと思いますが・・・

 

 残念ながら法廷には外を見ることのできる窓がないので,法廷から外の景色を見ることはできません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実は一番目の写真に映っている入り口の反対側にも入り口があります。上の写真ですね。

 

 名古屋地方裁判所は,愛知県弁護士会の弁護士会館ともつながっています。

 

 こんな感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回は,鈴鹿簡易裁判所の予定です。

 

 

 


0コメント

6月 11 2013

過払金返還請求と時効

 消費者金融から長期間にわたって借り入れを続けていると,利息制限法所定の利率を超える利息を支払い続けた結果,「払いすぎ」となっていて逆に「過払金」として消費者金融会社に対して返還請求ができる場合があります。

 

 これが世に言う「過払金返還請求」というものです。

 

 過払金返還請求は,最後に返済してから10年を経過してしまうと時効が来てしまいます。

 

 ですので10年以内に請求することは絶対なのですが,10年経っていないとしてもお早めに請求されることをお勧めします。

 

 というのは,近年は消費者金融会社の倒産も相次いでいるところ,倒産されると過払金はほとんど戻ってこないからです。

 

 また,借り入れ・返済に空白期間(しばらく取引をしていない期間)があると空白期間の前後で別の取引なのか,それとも一連の取引なのかということが争点になるのですが(一般的に一連の取引と認定された方が返還請求側に有利です),別の取引であるとされてしまった場合,空白期間前の取引の最終日から10年が経過しているとその取引にかかる過払金については時効が来ているということになってしまいます。

 

 自分に関係のある話かどうか分からないという方も多いと思いますが,サラ金や信販会社(クレジットカード会社)と過去に取引をしていた方には過払金が生じている可能性がありますので一度弁護士にご相談されることをお勧めします。


0コメント

Next »

このページの先頭へ